あさぴーの捏造は100年前にも
この週末にはこの本を読了。「明治馬券始末」大江志乃夫(紀伊國屋書店)
本の主題は「軍馬改良と競馬の奨励」「当時の社会情勢」と言った競馬好き以外にはどうでも良い内容(しかも筆者自身は競馬に興味の無い歴史学者)。
注目すべきは「第3章 騎兵第2旅団の将校賭博事件」
「騎兵第2旅団の将校が当時軍内規で禁止されていた馬券購入を行ったのでは?」と言う事件。これに「馬券発売禁止運動推進」であった朝日新聞(当時東京朝日新聞)、軍内部での発言力強化を狙う憲兵隊、陸軍が絡むと言うお話。
軍内部での発言力強化を狙った憲兵隊が、陸軍将校の競馬見学を見かけただけで「馬券購入の疑い」を摘発・告発。これだけなら軍部内部での権力闘争にしかならなかったものを、教条的奇麗事が当時から好きで競馬熱を不満に思っていた朝日新聞が裏づけも取らずに大報道という、どこかで聞いたような話が書かれている。
軍内部での権力闘争(しかも馬券購入は無かったことが証明されている)でしかなかったこの事件を、朝日が取り上げ、結果馬券禁止時代へと突入するわけだが、この事件は同時に、本来軍内部の刑事警察でしかなかった憲兵隊の発言力を強化してしまい、現在の朝日が書く「憲兵による思想統制時代」を招いたしまったわけである。
ちなみにこの本の作者の歴史観自体には若干疑問に思うところがあるのだが、朝日の(メディアの)欺瞞性を指摘するにはある意味良い本ではある。
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